社長メッセージ

革新的な診断技術で
人々の健康と医療の発展に貢献します。

当社は日本初の抗体メーカーとして設立され、2019年8月に創設50周年を迎えることができました。1970年代に自己免疫疾患検査薬の開発に着手し、国内初の自己抗体検査薬を発売しました。現在、当社の主力事業となっています。1980年代に基礎研究用試薬分野に進出し、抗血清・モノクローナル抗体、IL-18やMHCテトラマーなど多くのユニークな製品を発売しています。2000年代からは遺伝子検査試薬の販売を展開しており、第2の事業に育っています。昨年からは、コンパニオン診断薬の開発受託業務も開始しました。中国には、2005年に進出して以来、基礎研究用試薬に加えて、診断薬の原料・中間体の売上が伸長しており、重要な市場になっています。今後も、当社グループの製品群やサービスが社会のお役に立てるように画期的な製品を発売していきます。

当社は2020年度より、新たな企業理念と長期ビジョンを掲げました。企業理念「革新的な診断技術で人々の健康と医療の発展に貢献する」の下で、長期ビジョンとして「革新的な診断技術や製品の創出成果を、海外事業拡大、新規事業創出に積極的に投入することで企業価値を最大化し、人々の健康と医療の発展に貢献することで、グローバルニッチトップ企業」を目指します。この長期ビジョンを達成すべく、2020年度から新中期経営計画「Next Stage 2020-2024」を実行し、先端診断分野で最高の技術・品質・オペレーショナルエクセレンスでグローバルニッチトップ企業として価値を創出する挑戦を続けます。

近年、医療の高度化、個別化が急速に進展しています。例えば、医薬品においては、過去のブロックバスターから分子経路によって特定される疾患に効果的な医薬品(個別化医療用医薬品)が開発、発売されています。これら医薬品の一部では、バイオマーカーやコンパニオン診断薬による検査によって、治療効果を高める・副作用を軽減することが可能となっています。即ち、先端の臨床検査薬は、問診、身体所見、生化学検査等、従来の診療・医療検査による診断に加えて、臨床医が治療方針を決定する重要な役割も担うようになったと言えます。

医療が高度化する一方で、今年初めから世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症では、正確かつ迅速な検査薬のニーズが高まりました。今後、新興・再興感染症の流行によって社会活動や企業活動が大きく制限され世界的経済低迷に陥ることが懸念され、感染症対策として迅速な検査薬が要請されると思います。

今後、当社は、医療の高度化・個別化に対応でき、感染症診断など社会ニーズに即応できる臨床検査薬会社を目指します。皆さまの尚一層のご支援とご指導をお願い申し上げます。

2021年 4月 1日
取締役社長 山田 公政